126・127時限目 毛筆:古典臨書「風信帖」(行書)(記事版)

大澤流書道教室

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126・127時限目 毛筆:古典臨書「風信帖」(行書)(記事版)

師範のつぶやき

2021/06/01 126・127時限目 毛筆:古典臨書「風信帖」(行書)(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回は我が国の代表的古典である「風信帖」についてお話致します。

 

 

今回の記事や元ネタ動画を御覧になる事で、古典「風信帖」の特長がつかめ、更にその臨書作品を美しく書けたり、その臨書で得た技術を応用できたりするようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

そもそも、「「風信帖」とは何ぞや?」というお話から、入っていこうと思います(#^^#)

「風信帖」は、非常に安直に解説すれば、弘法大師こと空海が比叡山にいる最澄に宛てて書いた手紙で、3通あります。

その3通の手紙を1巻に仕立てたものが、「風信帖」と呼ばれています。

そして、1通目の冒頭に「風信雲書」と書かれている事が、その名の由来となっています。

1・2通目は行書メインですが、3通目は草書も目立っています。その為、「風信帖」は行草書作品のお手本とも言えます。

 

では早速、その「風信帖」の字形の特長について、入っていきましょう。下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210527_141114

 

先ずは、「恩恵」という作品から挙げてみました。

勘の鋭い生徒さんはお気付きでしょうが、「恩」は草書ですが、「恵」は行書です。

それは、過去記事「毛筆:「山」「我」「心」の草書体の字形について」回でも語っている通り、「心」の草書体は点画3個が連続したような字形、若しくは横画1本になるからです。

このような、行書と草書がうまい具合に交じり合い、調和のとれた作品を「行草書体作品」と呼びます。この「風信帖」は、まさにその代表格と言えるでしょう。

 

後、「恩」の1画目の縦画と2画目の横画は、結構広めに空いています。これも、古典臨書の際は、忠実に臨書しましょう( ..)φ

ところで、元ネタ動画を御覧になればおわかりかと思いますが、師範は「恵」の字を書く際、縦画を一番最後に書きました。

「恵」や「書」など、長い縦画が一番最後になる書き順は、実は伝統的な書き順の1つです。

続きまして、下の画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210527_141133

 

今回の零時作品(の画像)を御覧になればお分かりかと思いますが、「風信帖」の場合、やや左側に傾いている字が多いです(「蘭」「室」など)

習う場合は、この傾きを是正せず、忠実に習いましょう(*^-^*)

後、「金」「蘭」「室」などに於ける、画と画の連続するところは、元ネタ動画を御覧になって研究するのも有効な勉学の手段です。

殊に、「蘭」の中の「東」部分のような字形は、行草書体ですと、古典臨書に限らず、ペン字や漢字かな交じり文などにも登場します。今後の記事や動画でも頻繁に出てくると思いますので、ここで覚えてお帰り下さい(@^^)/~~~

では、次の画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210527_141202

 

この作品は、前半2字は墨がたっぷりついていますが、後半2字はかすれています(笑)

また、前半2字は画が太目ですが、後半2字は細目です(◎_◎;)

このような作品を半紙で書く場合は、最初にたっぷり墨を筆に含ませ、あまり硯の「おか」の部分(墨がたまらない部分です。逆に、墨がたまる部分は「うみ」と言います)で殆ど墨をとらずに始め、その後一切墨をつぎません。

何なら、前半2字を書ききった時点で硯の「おか」部分で墨を更に取り、筆の形を整えつつ「意図的に」かすれを利かせるようにすると良いでしょう。

このような練習は、殊に半折(横35cm×縦135cmの、あの長~い紙です)に作品を書く場合などに、活きてきます。

何故なら、半折に作品を書く場合や、かな書道品や漢字かな交じり文なんかを書く場合は、最初に墨を付けてから、墨がかすれて見えなくなるギリギリのところまで、一切墨をつがずに書き続け、ある程度のところで墨をつぐという書き方をしていくからです( ..)φ

その際、かすれた字を書く場合は、ゆっくりと、慎重に筆を運んで字を書いていきましょう。

 

ところで、上述の通り、前半2字は太目の画で書いているのに対し、後半2字は画が細目です。

この、後半2字のような画を書きたい場合は、筆を押さえて筆圧をかけるのではなく、逆に筆の穂先を活かし、必要に応じて穂先をねじるなどしつつ、ゆっくりと慎重に書いていきます( ..)φ

後、2字目は「臨」という字の行書体で、古典臨書作品に名前を書く際に必ず用います。この場合は最初の2画(「臣」に相当する部分です)が短めになって、右側の「つくり」部分の隣に余白を空けています。この「臨」の字体も、ここで覚えてお帰り下さい(@^^)/~~~

 

さて、今回も字数の都合上、2本の(前後編に)分かれた動画を1本の記事化してみました。

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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