138・139時限目 毛筆:古典臨書「書譜」(記事版)

大澤流書道教室

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138・139時限目 毛筆:古典臨書「書譜」(記事版)

師範のつぶやき

2021/06/10 138・139時限目 毛筆:古典臨書「書譜」(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回は古典作品の「書譜」について軽く解説した後、臨書作品の書き方や運筆の特長、字形の特長などについて取り扱って参ります。

 

今回の記事や元ネタ動画を御覧になる事で、古典「書譜」の特長がつかめ、更にその臨書作品を美しく書けたり、その臨書で得た技術を応用できたりするようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

では、「「書譜」とは何ぞや?」というお話から、入っていこうと思います(#^^#)

中国は唐の時代、西暦687年に、孫過庭(そんかてい)という能筆家によって書かれたものです

で、その本文は4字と6字の句からなっており、その対句によって句調を整えられています(四六駢儷文)

内容も、歴史的能筆家や書の理論などが解説されていて、調和を強調したような内容になっています。その為、中国の書論の中でも傑出したものとなっています。

そして、字の書きぶりも、王羲之の書きぶりを非常に彷彿とさせる感じの字形で、その王羲之の「十七帖」同様に、草書を学ぶ者にとっては必ず学ぶべき古典の1つとなっています。

 

では、早速本題に入っていきましょう。下の画像を御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210607_191908

 

先ずは、「神融筆暢」という臨書作品を提示しました。

ここで、「申」や「虫」、「暢」の右側部分の字形について学んでいきましょう。

「暢」のへん部分(左側の「申」)はちゃんと1画目を書いていますが、「神」のつくり部分(右側の「申」)は1画目の省略が起きていますが、その理由はおわかりでしょうか?

それは、「神」の場合、「しめすへん」からの連続が発生している為、1画目が略されたからです。

また、「融」と「暢」は御覧の通り、左側の「へん」部分よりも、右側の「つくり」部分の方が下から始まっており、明らかに小さいです。

その為、右上部分(「つくり」の真上部分)に余白ができています。

殊に、「融」のつくり部分(「虫」)は、つくりの2/3程度のサイズです。

このような字形は、「書譜」でよく見られる字形です。

でも、「神」のような例外もありますので、お手本や原本に則りつつも、左右の大小関係にも注意しながらお書き下さい( ..)φ

 

後は、「筆」や「融」など、横画が複数存在する字の場合は、お手本や原本に則りつつも、横画1本1本の方向に注意しながら書いていきましょう。

それと、「融」や「暢」など、同じ字の画でも、太く書く画と細く書く画が存在しています。

まぁ、これは「書譜」に限らず、どの古典でも同様でしょうが、それに関しましてもお手本や原本に則りつつ、丁寧に書きあげましょう。

続きまして、次なる画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210607_191959

 

続きましては、「或輕如蟬翼」という作品です。

「輕」の「くるまへん」は、他にも下の画像のような字形も御座いますので、ここで覚えてお帰り下さい。

 

screenshot_20210607_191946

 

ところで、右側の「くるまへん」、何処と無く「のぎへん」に似てなくないですか?

なんて冗談はさておきまして、「輕」の直後に「転(轉)」など、「くるまへん」を含む字が連続する場合に、このような字形を知っているだけでも、使い分けができる分、変化に富んだ作品に書く事ができますよ(#^^#)

後、「蟬」のつくり部分(「單」)のように、上部分の点画が浮き上がっているのも、「書譜」で見られがちな事です。

後、こちらの「むしへん」は、最初の「神融筆暢」の「融」に含まれる「虫」とは、字自体は同じでも字形が異なります。

それは、「蟬」の場合のような「むしへん」だと、次の画との連続などの関係で、最後の点画が略されるからです。

 

それと、「翼」は画数の関係で大きく縦長になっています。

それは、過去記事の「ペン字:大きく書く字と小さく書く字について」回でも語っている通り、画数の多い字程字のサイズが大きくなりがちだからです(一一”)

そのような字が含まれる作品を御自身で書かれる場合は、他の画数の比較的少なめな字を小さめに書き、バランスを取るようにすると良いです。

 

また、「翼」のように、画の太細や直線的な画と曲線的な画の使い分け、それから「或」の右にそれて止まる画の書き方も、効果的に用いましょう。

元ネタ動画を御覧になればお分かりかと思いますが、「或」の右にそれる画も、最初はゆっくり目に書き、途中から加速して終わっています。

このような運筆もマスターすれば、面白い作品を書く技術として活きてきます(*^▽^*)

それから、画を細く書きたい場合は、筆の穂先をねじるようにして書くと効果的です。

これに関しましても過去記事や過去動画で語っていますが、再度触れました。

 

さて、今回も字数の都合上、2本の(前後編に)分かれた動画を1本の記事化してみました。

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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