141・142時限目 かな:古典臨書「高野切第一種」(記事版)

大澤流書道教室

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141・142時限目 かな:古典臨書「高野切第一種」(記事版)

師範のつぶやき

2021/06/12 141・142時限目 かな:古典臨書「高野切第一種」(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回は「高野切第一種」についてお話致します。

 

今回の記事や元ネタ動画を御覧になる事で、古典「高野切第一種」の特長がつかめ、更にその臨書作品を美しく書けたり、その臨書で得た技術を応用できたりするようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

しかし、「「高野切」とは何ぞや?」というお話は過去記事の「かな:古典臨書「高野切第三種」」回で語っているので、ここでは「第一種」に話題を限定します。

 

「第一種」の字形的な特長と致しましては、ふくよかさや穏やかさなどが一体となった、非常に格調高く、美しい作品と評されています。

因みに、「第一種」「第二種」「第三種」は、それぞれ筆者が異なるのではないか、とも言われており、この「第一種」の筆者が最も優れた能筆家ではないか、とも言われています。

 

では、早速その「高野切第一種」の字形の特長について、入っていきましょう。下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210607_192453

 

このように、「第一種」の変化に富んだ特長を再現する為には、1字1字を更に細かく、1本1本の画の変化にまで気を配る必要があります。

その為には、「第三種」を臨書する場合よりも、更に筆をゆっくり目に運んでいき、遠回り的に書いていく事も、重要となります(「の」から「可(か)」に連綿する線や、「を」など)

それから、かすれていて更に見辛い箇所で非常に恐縮ですが、「そ」や「て」の横画のそり方(若干上に丸くそっています)も特徴的と言えます。

後は、「そて尓(に)」のような横幅の変化や、「者(は)」のような、横画の方向の変化などもうまく書けると、より素晴らしい臨書作品となります!(^^)!

 

ところで、これは過去記事の復習になるかもですが、墨つぎの箇所も重要になってきます。

何故なら、墨をたっぷり含んだ字の隣に墨のかすれた字が来れば、その潤渇の差が立体感を演出し、より面白い作品になるからです。

ですので、この場合は、比較的かすれてきている「そて尓(に)」の隣に、墨つぎを行ったばかりの字を持っていきましょう。

続きまして、下の画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210607_192513

 

この画像だけではわかりにくいかもですが、「第一種」の方が、「第三種」よりも強弱がはっきりしています。

その強弱を忠実に再現する為にも、変化に富んだ字形や、墨の潤渇の差もしっかりと学んで模写していきましょう。

その際、墨が少なくなり、字がかすれてきたと思ったら、筆を更にゆっくり運ぶようにしましょう。

そこは、半紙の質の良し悪しにも左右される問題ですので、使用している筆や半紙とも相談の上、稽古したり、作品を書いていく事です( ..)φ

後は、「と支(き)の」のような、1字目は小さく始まり、そこから徐々に大きく書いていったり、「流(る)」のような三角形型の字形の字の次に「の」のような長方形型や「は」のような正方形型の字が来たりするなど、行中の字形の変化も「第一種」の特長です。

それでは最後に、下の画像を御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210607_192547

 

これは「第三種」の時にも書きました、「詞書」(その歌を詠んだ作者の心境や背景などを記した解説書です)と作者名、そして歌本編を段違いに書く形式です。

これに関しましても、「流石「第一種」だな」と思わせるような様々な変化や画の特長が、散りばめられています。

例えば「詞書」の最初の行からして、行内の横幅の変化が激しく、凹凸感がわかり易いです。

また、「はしめ多(た)りけるを」の部分が比較的字間を広めに取っているのに対し、「みてよめ」は逆に字間を詰めているといった、字間の変化も見て取れます。

 

後は、最終行の「地(ち)るてふ」のように、長方形型の「地(ち)」の直ぐ後に「る」を正方形型に小さく書き、更に「て」や「ふ」のような三角形型の字が配置されるなど、字形の変化も発生しています。

そして、「さらなむ」の「さら」の横幅が極端に狭いという点も、「第二種」のような印象を受けます。

 

さて、今回も字数の都合上、2本の(前後編に)分かれた動画を1本の記事化してみました。

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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