160時限目 かな:臨書「元永本古今集」(記事版)

大澤流書道教室

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師範のつぶやき

2021/06/30 160時限目 かな:臨書「元永本古今集」(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回は、「元永本古今集」についてお話致します。

 

今回の記事や元ネタ動画を御覧になる事で、古典「元永本古今集」の特長がつかめ、更にその臨書作品を美しく書けたり、その臨書で得た技術を応用できたりするようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

しかし、「元永本古今集とは何ぞや?」というお話から、入っていこうと思います(#^^#)

先ず名前の由来ですが、上巻の巻末に書かれている「元永三年七月廿四日」という日付がその名の由来です。

筆者は源俊頼だと伝えられていますが、こちらは根拠的なものが弱く、諸々の事柄について考えると、藤原定美ではないかと考えられています。

字形や画の特長と致しましては、縦長の字形が目立ちます。また、所謂ひらがなや漢字、変体がななんかも巧みに織り交ぜ、良く調和させています。

画自体も弾力があり、ひらがなメインのさらさらと明るく書いたところもあれば、かたや漢字や万葉がななどを多用した漢詩的なところもあります。

更に、歌一首を二行、三行で書いたり、或いは散らし書き的に書いたりと、変化に富んだ作品です。

 

では、早速その「元永本古今集の字形の特長について、入っていきましょう。下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210618_181936

 

先ず、2行目の「久(く)まことに」に御注目頂きたいです。ここは明らかに縦長ですね(笑)

しかも、それだけではなく、「ま」の最後のむすぶ画と「こ」の最初の画が、一体化しているような印象を受けます。

これに関しましては、変体がなの「可(か)」の最初の点画が、前の字の最終画と連綿し、一体化する事と同じ原理です。

で、縦長の字が目立つと思いきや、「思」のように正方形型の字や、「ふ」や「人」のような、三角形型の字も並んでいます。

これもまた、「元永本古今集」の変化に富んだ作風と言えます。

 

変化に富んでいるのは、何も字形ばかりではありません。

「堂(た)地(ち)可(か)」のところのような太画もあれば、「くれつゝ」のように細く書いている部分もあります。

これに関しましては、原本がそのように書いているというのも、確かにあります。

その原本が、実は料紙を用いて書かれています。

その料紙の色が濃い部分を太画で書き、色が薄い部分は細画で書いているという訳です( 一一)

それに関しましては、「百聞は一見に如かず」と申しますか、原本を御覧になるのが一番です。

 

後は、過去記事の内容の復習のようになりますが、墨の潤渇による立体感の演出ですとか、同じ字が2回以上登場する場合の字形の使い分けなども、原本やお手本を見つつ、しっかり桜花的に用いていきましょう( ..)φ

ところで、落款は今回、右側に「○○臨」(「元永本古今集」なる古典を臨書している為)と書いています。

何故なら、作品自体を左側に寄せて書いた為、右下に余白が発生した為です。

このような落款の書き方も、ここで覚えてお帰り下さい。

 

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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