175時限目 かな:古典臨書「和漢朗詠集」(前編)(記事版)

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175時限目 かな:古典臨書「和漢朗詠集」(前編)(記事版)

師範のつぶやき

2021/07/16 175時限目 かな:古典臨書「和漢朗詠集」(前編)(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回と次回では、「和漢朗詠集」についてお話致します。

 

今回の記事や次回の記事、元ネタ動画を御覧になる事で、古典「和漢朗詠集」の特長がつかめ、更にその臨書作品を美しく書けたり、その臨書で得た技術を応用できたりするようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

しかし、「「和漢朗詠集とは何ぞや?」というお話から、入っていこうと思います(#^^#)

これは、藤原公任撰とされていまして、秀句・秀歌を網羅しており、臨書などにもよく用いられていました。

漢字の楷書・行書・草書のみならず、かなも1つ1つの完成度が高い作品です。

殊に、「御物粘葉本二帖」は、その材料である料紙の事もあり、代表とまで言われています。

ただ、今回はかな書道回ですから、かな書道のみに話題を限定し、解説していこうと思います。

 

では、早速その「和漢朗詠集」の字形の特長について、入っていきましょう。下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210714_173123

 

先ず、最初の「わ可(か)せこ尓(に)」からして、「可」が小さかったり、「せ」が横長に書かれているかと思いきや、「尓(に)」が縦長だったりと、字形的に変化に富んでいます。

それから、3行目の「それと(も」の「ん」のような字は、変体がなの「无(も)」です。

後、最初の行の「を」のような字も、変体がなの「世(せ)」です。

これらの変体がなは紛らわしいですが、その紛らわしい字を覚えてお帰りになるだけでも、本記事を御覧になった価値は十分あると思います。

 

ここで、変体がなの「无(も)」について、より詳細に御説明申し上げます。

先ず、字源(元ネタ漢字)は、これです。

 

screenshot_20210714_173221

 

「天」ではありません(笑)

この漢字が変体がな化して、あの変体がなの「无(も)」になったという訳です。

次に、この字の具体的用例についてお話します。下の画像を御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210714_173214

 

一番左側は、先述の「それと无(も」です。

字形が「ん」そっくりになっているのは、ただ単に画の省略のせいでしょう(-“-)

左から2番目が、「もろと无(も)」です。

これは、最初の「も」がひらがなで、最後の「无(も)」がへんたいがなという事例です。

どちらにも画の省略が発生していますが、最初と違い、「无(も)」のはらいは下に向かってはらっています。

 

右から2番目は「无(も)みぢ」で、一番右は「と无(も)尓(に)」です。

これらの例のように、最初について連綿する場合や、はらい方が変わって字形そのものが変化したように見える例も、勿論あります。

 

ところで、最初の作品画像の「お无(も)ひ」も、「无(も)」が一番上の字形になっています。

この「お无(も)ひ」に関しましても、様々な字形や連綿の仕方がございます。

 

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左側は「无(も)」が「ん」のようになって連綿している例、真ん中は「无(も)」が「う」や「可(か)」のようになって連綿している例(最初の作品の例です)、そして一番右は无(も)」が「う」や「可(か)」のようになってはいるものの、連綿線が無い(意連的に、繋がりが見えるだけ)例です。

このような事例もございますので、解読の際は気を付けましょう。

続きまして、こちらの作品を御覧下さい<m(__)m>

 

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こちらの作品では、漢字は「雪」しか使われておらず、大半はひらがなと変体がなで構成されています。

しかし、かな書道の場合は、その漢字を点や画の省略や連続が発生しがちなお陰で、何の違和感もありませんよね( ´艸`)

まぁ、元来変体がなも、過去記事「かな:変体がなについて」回で語っている通り、草書の画を中ぶくれにしたものですから、当然といえば当然でしょう。

後、「羅(ら)」や「礼(れ)」など、左右にわかれる字の場合は、連綿を続けすると類型的になってしまいます。

その為、2~3字程度までにしておきましょう。

後、「斜(さ)く羅(ら)」や「可(か)勢(せ)」などは、漢字で書こうと思えば書けるのに、何故かそのようにしていません。

それは、何らかの理由があるのでしょうが、私にはわかりません。

それに関しても、判明し次第、記事を訂正していこうと思います( ..)φ

 

また上述の通り、「和漢朗詠集」についてのお話は、次回にも後編的に続きます。

実は、この前編だけでも、2,400字強という字数に到達してしまっています(苦笑)

この上に、更に次回の話まで持ち込んでくると、間違い無く3,000字以上とかになってしまって、読者様がお疲れになってしまうと考えます((+_+))

その為、残る事例につきましては、次回の記事で御説明申上げます。

 

後、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習を精力的に励まれる事が第一です。

因みに、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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