169時限目 ペン字:草書についての研究(似て非なる字形)(後編)(記事版)

大澤流書道教室

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169時限目 ペン字:草書についての研究(似て非なる字形)(後編)(記事版)

師範のつぶやき

2021/07/09 169時限目 ペン字:草書についての研究(似て非なる字形)(後編)(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

で、回と今とで、ペン字に於ける草書体になると字形が似てくる漢字の違いや書き方、字形について御説明申し上げます。

 

前回の記事や今回の記事、元ネタ動画を御覧になる事で、紛らわしい字体の草書体がより正確に書けるようになり、漢字の書き方の運筆もよりスムーズになり、これらの漢字の草書体がより草書体らしく書けるようになりますよ!!(*^-^*)

但し、当教室では、草書体を実際に書かれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は草書体を学びません。その為、草書体について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に草書体について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

 

screenshot_20210629_160318

 

今回も、これら10パターンの間違い探しをして参ります(笑)

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習を精力的に励まれる事が第一です。

因みに最上段は左から「比」と「以」、「巨」と「五」、「深」と「源」、「成」と「来」です。

上から2段目は、左から「守」「専」「寺」、「州」「何」「河」「等」「才」「寸」です。

上から3段目は、左から「名」「各」「谷」、「況」「説」「設」「没」です。

そして、最下段の4字は「先」「克」「失」「夫」です。

今回は確かにパターン数は前回と同じですが、今回は字数が違います。

更に、最初から最後まで間違い探し的なお話が続きますので、何卒御了承下さい<m(__)m>

 

先ずは、最上段から見ていきましょう。

 

screenshot_20210629_160333

 

先ず、「比」と「以」ですが、違いがわかりますでしょうか?

最初の1画目の縦画のおれ方です。

「比」の左側は真下におりてきてそこから「W」字型の字形になっていますが、「以」は1本の横画のように画が伸びています。

 

続きまして、「巨」と「五」です。

ずばり、これは最初の点画の有無です(「巨」は点画が最初につきますが、「五」には点画がありません)

 

次に、「深」と「源」です。

これらの違いは、横画の有無のみです。

つまり、「深」は殆ど横画を伸ばさずに左下に画を伸ばしていますが、「源」は「がんだれ」を象徴するかのように、横画を伸ばしてから左下に画を伸ばしています。

 

今度は、右側の「成」と「来」です。

これは、最初に縦画(斜め左下に伸びる画)の有無です。

また、最後の点画も、「成」にしかありません。

 

では、今度は上から2段目の、3パターン9字についてお話します。

 

screenshot_20210629_160345

 

上から2段目の左側「守」「専」「寺」について、3字の違いがわかりますでしょうか?

これも、点画の有無や、最初の横画の最終地点ではねているか、止まっているかの違いがあります。

因みに、前回に登場した「狩」も、「守」と「けものへん」の草書が書ければ、問題無く書けます(笑)

 

続きまして、「州」「何」「河」です。

これは、最初の画のはねる方向の違いや、次の画のまがり方です。

「州」は最初の縦画から左にはね、「3」字を書くようにまがっていきます。

しかし、問題は「にんべん」と「さんずい」は、草書だと縦画1本のようになってしまって、どちらがどちらか判別ができにくい場合があるという事です。

これに関しましては、過去記事「毛筆:へんの草書体について」回の最初で語っていますが、その場合は前後の漢字を鑑み、文脈から判断しましょう(゜o゜)

 

次に、「等」「才」「寸」です。

「寸」なんて、そのまんまですね(笑)

それはさておきまして、これらの違いは、2画目のはねた後の連続の仕方やはね方、はねた後の3画目の画の違い、そして点画の有無です(点画を最後に書くのは「等」のみです)

 

最後に、下から2行の3パターン11字についてのお話です。

 

screenshot_20210629_160357

 

先ず、「名」「各」「谷」の違いです。

これも、1画目の画の違いやそこからの連続の仕方、そして、最後の連続の仕方です。

つまり、最初に点画から始まるのは「谷」のみですし、最後に左下に伸びている斜め画のところから「ろ」のようにまがる画(「口」に相当する部分)が伸びているのは「名」のみです。

 

次に、「況」「説」「設」「没」です。

これらの違いは、ずばり「口」部分に相当するところです。

すなわち、「況」は行書風のようですが、外の字は草書風で、点画が連続しているようになっています。

また、点画2本を連続させた後に続く横画も、それぞれによって異なります。

因みに、「没」の更に右隣は「ごんべん」の草書の1字形ですので、「にんべん」や「さんずい」と区別したい場合は、こちらを御使用になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

最後に、最下段の「先」「克」「失」「夫」の4字について見てみましょう。

これも微妙な違いですが、最初の縦画(左斜め下に伸びる画)の有無や、最後のはらう画の違い(はらうか、右斜め下に直進してはねるか)の違いです。

 

このように、草書は特に、似たようで異なる字が結構ございますので、作品を書かれる場合や解読される場合は要注意です。

殊に、解読される場合は、前々から申し上げている通り、前後の漢字から判定しましょう。

 

そして、前回と今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

前回の最初にも話しましたが、重要な事ですから再度書きました。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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