124・125時限目 かな:古典臨書「高野切第三種」(記事版)

大澤流書道教室

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124・125時限目 かな:古典臨書「高野切第三種」(記事版)

師範のつぶやき

2021/05/31 124・125時限目 かな:古典臨書「高野切第三種」(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

今回は「高野切第三種」についてお話致します。

 

 

今回の記事や元ネタ動画の内容が、皆様の作品制作などの参考になれば幸いです!!(*^-^*)

但し、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。その為、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さん向けのお話となります。ですので、小学生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

そもそも、「「高野切第三種」とは何ぞや?」というお話から、入っていこうと思います(#^^#)

元来、古今和歌集を模写して書いたものが、高野山に伝わり、その史実が「高野切」の名前の由来となっています。

書かれた時期までは特定できていませんが、西暦1053年頃と言われています。

筆者は紀貫之と言われていましたが、他の作品の書きぶりや歴史的背景などを鑑みるに、「違うのでは?」と言われています。

で、「第三種」の題名通り、他にも「第一種」や「第二種」も現存しており、それぞれ筆者が異なるとも言われています。

字形的な特長と致しましては、「第一種」や「第二種」と比較すると「変化に乏しい」と言われていますが、それでも若々しく活力があり、軽快な動きのある字形と言えます

 

では早速、その「高野切第三種」の字形の特長について、入っていきましょう。下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210527_140819

 

どうでしょうか?「し」や「於(お)」など、この「第三種」は、なかなか直線的な画も多い事にお気付きでしょうか?

それと、字と字の連綿も力を抜かず、前の字の最終画と同じ太さで書いています。

それでも、各々の字の形に着目すると、確かに縦長の「し」の次に菱形のような字形の「く」が来ていたりはしますが、全体的に見ると、四角形型の字形の字が多いような印象を受けます。

これが、「「第三種」は「第一種」や「第二種」よりも変化に乏しい」と評されている原因の1つかもしれません。

続きまして、こちらの画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210527_140832

 

今回の作品に限らず、かな書道特有の美を演出する為には、筆をリズミカルに動かす必要があります。

その為にも、筆の速度に緩急をつけると効果的です。

直線的な画は比較的早めに、まがる画やむすぶ画、かすれている状態で字を書く場合などは、ゆっくり目に筆を動かしていきましょう。

後、字のサイズの大小や長短、墨の潤渇でも変化をつけてあげると、素晴らしい作品が書けます( ..)φ

続きまして、こちらの画像も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210527_140947

 

これは右側に詞書(歌の作者の心境や背景などを記した説明書きです)、真ん中に作者名、左側に短歌本編を、行頭をばらばらに書いたもので、散らし書きの原点となったものです。

で、最初の行の行尾にある「能(の)みや能(の)う」のように、三角形型の「み」の次に横長の「や」が来たりですとか、直前と違って字間を詰め気味に書いたりですとか、作品自体が単調にならないような工夫も必要です。

また、墨がたっぷり付いている字の隣が墨のかすれた字だったりすれば、その潤渇の差が対比となり、作品に立体感を持たせ、面白い作品に仕上がります。

これに関しましては、過去記事「かな:半紙で短歌作品」でも語っていますが、重要なテクニックですから再度書きました。

後、今回の場合は行頭はばらばらですが、行尾もばらばらの方が、より散らし書きっぽく書けるかもしれません。

最後に、こちらの作品も御覧下さい<m(__)m>

 

screenshot_20210527_141033

 

この作品を御覧になればお分かりかと思いますが、この作品は直線的な画が多く、THE・「高野切第三種」のような作品でしょう(笑)

で、行頭の3字に注目して頂きたいのですが、1行目の「あ」は開始地点だけに墨がたっぷりで、2行目の「な」は墨がかなりかすれています。そして、3行目の「万(ま)」は墨がそこまで多い訳ではありませんが、それ程かすれてもいません。

このような、墨の残量の変化を行毎に付ける事もまた、重要なポイントとなります。

後は、最後の「つ」と「可(か)」に御注目下さい。

「つ」のような大きめ(横長)に書いた字の直後に「可(か)」のような小さめの字を配置し、字のサイズの違いによる変化を演出するのも、重要です。

また、「つ」のはらい画から伸びる連綿線が「可(か)」の1画目の点画と一体化し、結果的に2画目のカーブのみが紙面に表れていますが、これはかな書道あるあるです(笑)

 

さて、今回も字数の都合上、2本の(前後編に)分かれた動画を1本の記事化してみました。

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

 

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

 

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