159時限目 毛筆:古典作品に於ける折れ画について(記事版)

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159時限目 毛筆:古典作品に於ける折れ画について(記事版)

師範のつぶやき

2021/06/29 159時限目 毛筆:古典作品に於ける折れ画について(記事版)

本日も、こうして御来訪下さり、誠に有難う御座います(*^▽^*)

前々回は楷書の古典作品に於ける横画について、前回は縦画について語っています。

今回行う話は、そのおれる画版だとお考え下さい。

 

今回の記事や元ネタ動画を御覧になる事で、各古典作品に於けるおれ画の書きぶりや字形の特長や違いについて学べ、その事を作品制作などに活かす事ができるようになりますよ!!(*^-^*)

尚、当教室では、古典臨書について学ばれるのは高校生や成人の生徒さんで、小中学生の生徒さん達は古典臨書については学びません。

しかし、上述の通り、楷書の古典に於ける横画の違いについて扱って参りますので、古典について予習をしたい中学生の生徒さんや、既に古典臨書について学ばれているものの、理解がし難い高校生以上の生徒さんのみならず、現に小学校の書写の授業などで楷書について学んでいる小学3年生以上の生徒さん達にとっても、参考になるお話かと思います。

ですが、小学1~2年生の生徒さんや未就学児(保育園児・幼稚園児)の生徒さん達は、別な記事を御覧になる事をお勧め致します<m(__)m>

 

てな訳で、早速本題に入っていきましょう。

でもその前に、毛筆に於けるおれ画の基本的な書き方に関しましては、こちらの過去記事「毛筆:漢字のはね方・折れ方について」回で復習される事をお勧め致します<m(__)m>

 

では、下の画像を御覧下さい。

 

screenshot_20210618_181902

 

これは、「永日仰山」という字を、右側は「孟法師碑」(「永」だけは「伊闕仏龕碑(いけつぶつがんひ)」ですが)、真ん中は「孔子廟堂碑」、左側は「雁塔聖教序」から持ってきて、それぞれ臨書したものです。

古典臨書に於けるおれ画は、始筆(最初)の入り方や終筆(最後)の終わり方がどうなっているのか、とめ・はね・はらいがどのようになっているのか、太さの変化はどうか、おれる前、若しくはおれた後の縦画自体がそれているのか、おれる角度などなど、運筆や字形についての要領を学んでいくのが最良です(#^^#)

これらに関しましては、以前にも何処かで語っているかと思いますが、お手本や、原本をお持ちの方は、原本の字形や運筆を注意深く観察し、そのお手本や原本に忠実に書かれるしかありません。

 

で、先ず「永」に御注目下さい。

伊闕仏龕碑」の場合は、(本当なら)おれる前の横画が停止地点に進むに従って細くなり、停止地点で止まってから、そり気味にですが縦画を伸ばしていっています。

これが「孔子廟堂碑」の場合ですと、横画も、おれた後の縦画も、最初から最後まで太さが均一です(笑)

更に、「伊闕仏龕碑」とは違い、こちらは垂直に縦画を伸ばしています。

しかし、雁塔聖教序」の場合はどうでしょうか?

伊闕仏龕碑」のように、横画が右側に進むにつれて細くなっていますが、その横画の最終地点から少し右下にずれた地点から縦画を伸ばしています。

 

「日」の場合は、更に分かり易いと思います。

孟法師碑」の場合は横画の最終地点から、下に進むほどすぼむような感じの縦画を伸ばしています。

しかし、孔子廟堂碑」の場合は、横画の最終地点から縦画を伸ばすのは同じですが、真ん中が外に向かって曲線的な、所謂「向勢」の縦画を伸ばしています(過去記事:「毛筆:古典臨書「孔子廟堂碑」」回を参照の事)

これが雁塔聖教序」の場合、これに関しましても、横画をそり気味にですが伸ばした後、その横画の最終地点から少し右下にずれた地点から縦画を伸ばしています。

 

「山」のような、縦画をおろしてから横画を伸ばす画に関しましても、同様に同じ字でも違いが出ています。

孟法師碑」の場合は、縦画の最終地点で一旦停止し、そこから横画を伸ばすという、THE・楷書のようなおれ画です。

しかし、孔子廟堂碑」の場合は、中ぶくれ的な縦画を伸ばすものの、その最終地点ではなく、その縦画から少し右に離れた地点から横画が伸びています。

雁塔聖教序」の場合は逆に、縦画を伸ばすところは同じなのですが、その最終地点から結構左にずれた地点から横画を伸ばしています。

後、元ネタ動画では語っていませんでしたが、「仰」のレ点のような画も、一旦抑えてからはらうか、縦画の最終地点から少し離れた地点からはらうか、縦画の入り方などにも細かな違いがあります。

 

これらに関しましても上述の通り、お手本や、原本をお持ちの方は、原本の字形や運筆を注意深く観察し、そのお手本や原本に忠実に書かれる事です。

ところで、どの古典を臨書するにしても、書道教室で先生からお手本をお書き頂く場合であっても、最初のうちはそのお手本の筆の入れ方や画の書き方などなど、そうした課題の特長や書きぶりなどをしっかり押さえて稽古していきましょう。

 

但し、今回あげた書き方はあくまでも「ほんの一例」ですので、妄信せず、時と場合によって使い分ける事が重要です( `ー´)ノ

その為にも、臨書(古典作品を模写して学ぶ事)や運筆練習に精力的に励まれる事が第一です。

それはさておきまして、今回の記事の元ネタ動画は、コチラから御覧下さいませ。↓↓

 

 

但し、概要欄でも御話ししている通り、過去に演劇をやっていたとは思えない程、師範の解説がかみっかみで非常に恐縮です(一一”)

 

それでも、元ネタ動画の方も、皆様のお役に立てましたら、高評価・チャンネル登録・コメントなども頂ければ、師範は非常に嬉しく思います(T_T)

 

 

そして、今回も最後まで御覧頂きまして、誠に有難う御座いました<m(__)m>

 

 

 

 

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